株式会社麹屋もとみや
代表取締役
本宮 啓さん
株式会社麹屋もとみやは、約90年の歴史を持つ老舗で、麹作りを中心に、味噌や麹を使った加工食品を製造・販売。地元企業と連携した商品も開発。2022年8月には直売店「SHIMONO528」をリニューアルしました。
2023年2月17日に開催した、しごとCROSSトーク「いわて自慢の食に携わるシゴト」の当日の様子を一部ご紹介します。(※情報は開催時点のものです)
株式会社麹屋もとみや
代表取締役
本宮 啓さん
株式会社麹屋もとみやは、約90年の歴史を持つ老舗で、麹作りを中心に、味噌や麹を使った加工食品を製造・販売。地元企業と連携した商品も開発。2022年8月には直売店「SHIMONO528」をリニューアルしました。
株式会社十文字チキンカンパニー
人事部 課長代理
伊藤 耕太さん
株式会社十文字チキンカンパニーでは、種鶏の飼育から加工まで一貫体制で行っています。生産羽数は東日本第1位。「人・動物・環境の健康」を考え、安全・安心で美味しい鶏肉を安定供給していくことを使命としています。
本宮さん:株式会社麹屋もとみやは、八幡平市安代地区で93年間、地域の方を中心に商品を販売しています。麹を作って売ることから始め、今は味噌や麹の加工品の販売もしています。直営店で直接消費者へ売るほか、卸として販売もしています。
本宮さん:私は4代目の代表です。サラリーマンを辞め4年前に家業に戻りました。この4年間製造と販売を学び、3年前に専務取締役となり、昨年5月に代表取締役となりました。お客さまの声を受けて開発した商品でこれまでやってきました。4代目に就任し1年経ったのですが、その思いとやり方はこれからも変えずにいきたいと思っています。もともとの商品は自社で独自開発したものが多いのですが、今は10から30種類の商品があり、地域の他の企業や生産者の方々と共同で開発して弊社の商品として販売させていただいたり、その逆だったりする商品が増えてきています。いいものにこだわりを持つ地元の方と一緒にやらせていただいております。
本宮さん:岩手県を出たくて東京の大学に行きました。卒業するにあたり就活をするなかで岩手に戻りたいという思いが湧いてきました。根っこには岩手が好きというのがあったかなと思います。就職先は金融機関を選びました。地域の会社に一番近い距離で接することができ、事業ではお金が必要で何かしらのお役に立てるのではという思いからでした。金融機関に14年間お世話になりましたが、4年前に家業を継ぐことを決断しました。その理由は、前職時代にいろいろな方から「すごくおいしくて毎日食べているよ」とか「この味噌じゃないとダメだよね」という声を聞き、「それをやらずになくしてしまって本当にいいのか」という気持ちが出てきたためです。金融機関での役目や役割よりも、麹や味噌を作っている家業を継続し、それを喜んでいただける方につないでいくことが自分の役割ではとの思いに至り、家業を継ぐことにしました。
本宮さん:私は代表ですが、えらいとかではなく役割の一つだと思って仕事をしています。お客さまに「おいしかったです」「家族と素敵な時間を過ごせました」「何を食べてもおいしかったです」といったお声をもらうこと、そうしたお客さまを増やしていくことが会社の目的の一つです。麹や味噌を工夫して使い、自分たち含め、関わっていただく方々の大切な家族や友人との時間が豊かになっていくということが、私たちのやっていきたいことです。その中で社員の皆さまが自分それぞれの目標やなりたい姿が明確になり、その姿に向かっていく過程でこの仕事が役立っている、それを見つけるために仕事などを通じて、関わった人との関係性の中で一緒に模索していく。そうしたところに喜びだとか生きがいだとかやりがいだとかを感じてくれたらいいなと思っています。
本宮さん:家業の経営を担うのは大変なのですが、後悔はしていないですし、転職してよかったなと思っています。多分失敗しても自分で決めて動いたので後悔しないと思います。「あーやっぱり」「どうせ」とかならなかったのは、自分で覚悟を決めて動いたからと思っています。みなさんも一歩踏み出してチャレンジする行動力を発揮してもらえれば何かが見えてくるかもしれません。いろいろ挑戦してみてもらえればと思います。
伊藤さん:株式会社十文字チキンカンパニーは、二戸市に本社があります。創業は1950年10月で、鶏を飼育し鶏肉を製造しています。工場が二戸市、久慈市、八幡平市にあり、鶏肉の製造のほか鶏糞利用のバイオマス火力発電所も運営しています。
伊藤さん:岩手県の農業産出額のナンバーワンは鶏肉です。県内ではお米より鶏肉の産出額が多くなっています。「岩手といえばチキン」。全国でみると鹿児島県、宮崎県に続いて3位です。当社の生産規模は岩手県の51.2%を占めています。岩手県では1位、東日本でも1位、業界の推計では全国4位となっています。1日の生産量は久慈工場が約12万羽、八幡平工場が約8万羽、二戸工場が約4万2千羽で、約370トンを生産しております。種鶏(しゅけい)農場のニワトリを雛の状態から卵を産むまで大きく育ててその卵は孵卵場に運ばれ、そこから雛が生まれ、ひよこは飼育農場で約2カ月育てて、みなさんが食べるような鶏になります。この鶏が加工場に運ばれてきて、お肉にしてお客さまに商品として出荷する流れになっています。これを「自社一貫生産体制」と言います。
伊藤さん:大学で学んでいたのが農学系、食物系で、その知識を生かしたいなとずっと思っていました。地元が秋田県なのですが、岩手の方が就職活動のスタートが早く、岩手県内の企業をさまざま受けました。けれど最初はことごとく落ちていました。ようやく巡り巡って現在の会社から内定をもらいました。当社は食品系で養鶏は農学の要素もあり、大学で学んだ知識も生かせる職場かなと思い、入社を決めました。最終的には、当社の採用担当にたくさん魅力的な方がいて、一緒に働いてみるのも面白いかなということで決めました。就職活動をしていたとき「鶏肉は好きだった。好きなものならその魅力は伝えられるだろう」という気持ちになったことも、ここで働いてみようと思う決め手でした。
伊藤さん:入社後は製造部で働いていました。製造部はしっかりとした品質の商品を定量確保してお客さまに出荷するというのが仕事だと思います。直接のお客さまは商社で、次に実際に食べてくれる消費者がいますが、両者に迷惑がかからないようにすることが仕事のやりがいにつながります。人事部では従業員の雇用を守ることがやりがいです。人がいないと商品の製造・出荷ができなくなるので、これからも雇用継続や採用に力を入れていかなければならないと思っています。今のやりがいの一つは当社の果たす役割を広く知ってもらい、たくさんの人に応募していただくことかもしれません。
伊藤さん:就職活動ではいろいろな人の話を聞くと思います。でも最後は自分で決めることが大切だと思いますので、頑張ってください。