
岩手県交通株式会社
人事労務課
平山 大介さん
運転士の他に、運転士をサポートする多くの仕事があり、さまざまな年代・職種の社員が力を合わせることで、利用者視点に立ったバス運行を実現しています。
2025年1月16日に開催した、しごとCROSSトークの当日の様子を一部ご紹介します。
(※情報は開催時点のものです)
岩手県交通株式会社
人事労務課
平山 大介さん
運転士の他に、運転士をサポートする多くの仕事があり、さまざまな年代・職種の社員が力を合わせることで、利用者視点に立ったバス運行を実現しています。
三陸鉄道株式会社
運行本部 運行部
運転士
米田 賢司さん
鉄道業でありながら様々なイベントの開催、企画商品の開発に関わりながら、産業振興や地域の活性化に貢献できるようCSR活動を展開しています。
平山さん:岩手県交通はバス会社です。事業内容は一般乗り合いと一般貸し切りで、乗り合いは路線バス、貸し切りは旅行や団体での貸し切りバスになります。小規模ですが自社でツアーを企画し、お客さまを集める旅行業も行っております。
平山さん:私は最初、工場などの製造系の仕事が良いと思って就職活動をしていました。学校で工業系の勉強をしていて、なんとなく物作りが好きだったためでした。いろいろ応募しましたが、なかなか決まらず方向転換をしてみようと思ったとき、街中を走っている大きいバスがかっこいいと思い今の会社に応募しました。
平山さん:入社後は5年間で3つの営業所を経験し、一般事務と運行管理の仕事をしてきました。現在の部署に来て4年目になります。ここでは採用に関することなど人事系の仕事や給与、労務関係の仕事をメーンに担当しています。営業所勤務のときは、実際にバスを運行している場所なので、間近で走るバスを見たり、整備や点検の様子を見たりすることができ、それも楽しかったです。
営業所での最初の仕事はお客さま対応でした。窓口にいらっしゃるお客さまだけでなく、電話で時刻や運賃の問い合わせもあります。あとは忘れ物ですね。「この時間にバスに乗ったと思うのですが、この色のものがありませんでしたか」という問い合わせがあるので、バスが営業所に戻っていれば確認し、届いていなければバスの中を確認しに行ったりもしました。
その後、運行管理者として必要な資格を取って徐々に運行管理の仕事の割合が増えていきました。運行管理をするようになると、運転士さんと触れ合う機会も増えて、運行中のことや車両に関することなど、いろいろな話を聞くようになり、そこからバスの仕組みを覚えていったという感じです。運行管理者の資格を取ったのは入社1年目でした。運行管理者という資格は法律に関する部分が多いので、運送法、運送車両法、道路交通法などを改めて勉強する必要がありました。運転士さんの仕事の割り振りも運行管理者の仕事です。一人の人に負担が偏らないように、1日の拘束時間や運転時間を比較しながら割り振っていました。
バスは専用の道路を走るのではなく、一般道を走っているので、遅延が起きやすいです。しかし、遅れを回復しようと無理な運転をすると、事故に繋がる可能性もあるので、安全運転を優先しています。
平山さん:営業所事務で働いていたときは、丁寧な接客をしてお客さまから感謝の言葉をいただくのがやりがいでした。運行管理に携わるようになると、1日何事もなく運行が終わり、今日も平和だったなと心が落ち着く瞬間がやりがいでした。営業所ではお客さまとの関わり、運行管理者としては安全を守るということが、やりがいになります。今は人事労務で社内の方との関わりが増えたと思います。安全を守るということが大前提で、日々気を張りながら仕事をしていますので、何もなかった時の安心感は大きいです。
平山さん:入社してから5年間で3つの営業所を経験しましたが、仕事を覚えたと思ったら異動になり、その都度営業所の人を覚えなければなりませんでした。最後に勤務した営業所には運転士さんが60人ぐらいいたので、名前と顔を覚えるのが大変でした。顔を覚えるために、とにかく話しかけて名前を呼んでみたりしました。仕事の話はもちろんですが、仕事以外の関係ないような話もしてコミュニケーションをとり、関係性を築いていくことにより、何かあったときに協力しやすくなると思います。
弊社の500人以上いる従業員の7割以上が運転士さんなので、運転士さんとコミュニケーションをとりながら仕事をすることになります。運転士さんは出勤時間も退勤時間も休憩時間もバラバラです。だからこそ、情報を共有できる運行管理者の役割が重要になると思います。
平山さん:今採用の仕事をしておりますが、営業所で経験した事務や、そこで学んだ運転士さんの仕事内容を、採用活動で生かしていきたいと思っています。これから応募してくる方に、仕事の魅力や内容を伝えながら、一緒に働く仲間を見つけていきたいです。
平山さん:バスは、お客さまを乗せて走る仕事なので、プロとして勤務していくという意識を持っていただきたいと思っています。また、接客も重要なので、お客さまと接するという意識も大切です。弊社には新しく入ってきた運転手を指導する指導運転士がいます。各営業所や本社でサポートをしながら、独り立ちできるように育てていきます。大型二種免許を持っていない方でも、会社の取得支援制度があるので、免許がなくても応募できます。
バスは地域の足ということで、地域貢献の意識を持っている方、地元のために運転したい方やそれをサポートする事務の仕事をしたいという方がいれば、ぜひ応募してほしいです。
米田さん:私は2023年5月、中途採用で入社しました。前職では、滋賀県の私鉄鉄道会社で電車の運転士をしていました。もともと三陸鉄道に入りたくて、就職・転職活動をしていたのですが、5年前に三陸鉄道を志望した際はご縁がありませんでした。そのため、一度滋賀県の鉄道会社に入って数年経験してから、再度挑戦したということになります。私の実家は関東なのですが、旅行で三陸鉄道を訪れた際、皆さんが親切で、運転士さんも良い方ばかりで、移住したい、三陸鉄道で働きたいと思うようになったことがきっかけです。
会社の事業内容は鉄道事業、列車の運行がメインです。旅行業として旅行商品の販売や臨時列車の運行もしております。宮古駅には「さんてつや」というお土産屋さんがあり、鉄道グッズや地域のお土産を販売しています。旅行業に加え損害保険代理店や列車のラッピング広告、駅への広告掲載などの事業も行っています。
米田さん:三陸鉄道の採用枠が運転士候補生ということで、最初から運転士になるつもりで応募しました。幼少期から乗り物が好きで、いつかは鉄道の運転士をやりたいと思っていました。
5月に入社して9月に鉄道の免許を得るための筆記試験があったのですが、そこまでは構内で車両の洗車、給油・給水作業を教わりました。その合間に免許の試験勉強もしています。試験勉強は3科目あるのですが、法規、鉄道規程、動力理論、列車の構造を覚える必要があり、必死に勉強しました。構造系は前職の電車とは違い、エンジンなので一から覚える必要がありました。細かいルールが鉄道会社によって違うのでそこも苦労しました。一昨年の9月から教習が始まり、動力車の免許を取り直して昨年3月に単独の運転士としてデビューしています。
米田さん:現在は久慈派出所で働いています。運転士が所属しているのは宮古、盛(大船渡)にもあります。久慈は旧型の車両の割合が高く、旧型の運転はブレーキ方式が最近のものと違うので苦労します。列車のブレーキは上手い下手があり、運転士のセンスが出るところだと思います。いかにスムーズに止めるかを意識していますし、ダイヤに余裕がある時は景色の良いところで停車させ、お客様に楽しんでいただいたりしています。
米田さん:利用客の方は時間帯によりますが、朝夕は学生さん、昼間は病院に行かれる高齢者の方が多いです。もちろん観光客の方もいらっしゃいます。お客さまから「ありがとう」「楽しかったよ」「また来るね」と言われたときやりがいを感じます。名前もちゃんと見てくださるお客さまもいて「運転士が米田さんで良かった」と言われたことがあり、本当に嬉しかったです。ワンマン運転なので、運賃を頂いたり、一番前のドアから降りていくお客さまがいると会話をしたりします。
米田さん:今所属している久慈派出所は、運転士6人で回していて、指令員も3人で小規模な部署ということもあり、コミュニケーションは密だと思います。大きな会社だと何十人も運転士が所属しているところもあると思いますが、それに比べたらコミュニケーションが取りやすいと思います。
米田さん:運転士見習いの方の育成・指導をしたいと思います。弊社では1人見習いを教えると、教えた側は別の部署に異動することが多いのですが、希望すれば2人、3人と続けて指導することもできます。指導する側として頑張っていきたいと考えています。私は入社してから宮古と久慈を経験したので、次は大船渡に異動して、三陸の沿岸部を勉強したいと考えています。
米田さん:鉄道の運転士は、鉄道が好きという方でなくても大丈夫です。何があっても落ち着いて対応できることが一番大切だと思います。入社していただきたい方は、三陸鉄道を愛する人ですね。県外からでも歓迎です!